★あらすじ
主人公のルークは植民地で警察官をしていた。その仕事も辞め、イギリスに帰ってきたところだ。たまたま列車で乗り合わせた老婆から奇妙な話を聞く。彼女の村では人知れず殺人事件が連続して起きていて、彼女は犯人に目星が付いているのでロンドン警察に訴えに行くところだ、とのこと。その時は全く信じていなかったのだが、翌日、老婆が交通事故で死亡したことを知り、ルークは彼女の話を信じてみようと思うようになった。そしてその村“ウィッチウッド”を訪ねることにした。彼は、友人のつてを使って村の富豪の秘書かつ富豪(ゴードン・ホイットフィールド卿)のフィアンセであるブリジッド・コンウェイの“いとこ”として村に潜入した。
村人から話を聞き歩くと、悪ガキのトミーが図書館の窓から落ちて死んだこと、居酒屋の主人ハリーが川に落ちて溺死したこと、医師のハンブルビーが指の傷が元で敗血症で死んだこと、お手伝いのエイミーが風邪薬と間違って毒性のハッと・ペイント(帽子を染める液)を飲んで死んだことを知る。他にも何人かが亡くなっている。どの場合も不慮の事故と思われているものだ。
ルークは聞き込みを続ける。それぞれの犠牲者に対して、それなりに殺意を持っていただろう人物はいる。しかし、別の被害者とは関係がない。連続して全ての事件に対して関係し、殺人を犯しそうな人はなかなか見つからないのだ。
★基本データ&目次
| 作者 | Agatha Christie |
| 発行元 | 早川書房(クリスティー文庫) |
| 発行年 | 2004 |
| ISBN | 9784151300790 |
| 原著 | Murder is Easy (1939) |
| 訳者 | 高橋豊 |
★ 感想
「犯人は誰だ?(Who done it?)」パターンの王道、というところなのかな。私はそれほど推理小説マニアという訳ではないので、余りよくわかっていませんが。でも、面白かったのは確か。かなり最後の方にならないと誰が犯人なのか全く予想もできませんでした。主人公のルークが誰が容疑者なのか分からずに迷っているシーンが何度も出てくるけど、まさにそれにはまってしまい、こちらも「誰なんだ?」となってしまったのでした。アガサ・クリスティにまんまと乗せられてしまった形。
舞台が英国の田舎で、時代も今とは違っているので、人々の“階級意識”みたいなものが物語全体のベースになっている。まあ、現在でも別の形の差別意識は世界中に満ちているので、その点では普遍的な問題なのかもしれない。同時代性を帯びていながら普遍性もある、そんなところが長く愛される作品(群)である秘密なのでしょう。そもそも人をこ(殺してしまうほど)憎む・妬む感情はそれこそ洋の東西・時代を超えて共通の感覚ですから。
早川書房のトークショーを機にアガサ・クリスティの作品を読み始めたけど、これはハマりますね。さて、次はどれを読もうかな。


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