スマホを落としただけなのに

★あらすじ

稲葉麻美は派遣社員として働くOL。彼氏の富田誠と結婚の話が出るくらいの付き合いとなっていた。そんなある日、富田のスマホに電話をかけると、なぜか聞き覚えのない男が出た。どうやら富田はスマホをどこかで落としてしまい、それを拾った人が着信に出たようだ。その男は親切にも、わざわざスマホを届けてくれた。富田の代わりに麻美がその男と会って直接、返してもらった。男は礼を断り去って行った。世の中にはまだまだ親切ないい人がいるんだと、麻美は感心する。だが、それは麻美にとって恐怖の日々の始まりだったのだ。

そんな折、それまでSNSに興味のなかった麻美だが、友人の杉本加奈子の影響もあってFacebookの楽しさに目覚める。普通ならば、楽しくSNSライフを送ることになっただろうが、麻美にとってはタイミングが悪かった。Facebookという格好の“侵入口”をその男に提供してしまうことになったのだから。
麻美の周りで色々な事件が起き始める。冨田がクレジットカードを不正利用されて、身に覚えのない請求が来たり、ランサムウェアにスマートフォンをロックされて“身代金”を要求されたりしたのだ。

しかし、郊外のある山中ではさらに悲惨な事件が起きていた。刑事の毒島徹と加賀谷学は、山中で発見された白骨遺体の捜査のために、現場検証をしていた。その遺体は黒髪の女性で、全裸で地中に埋められていたのだ。野生動物が掘り起こしたことによって、地元の人によって発見される。
刑事たちは山中を捜査している時に、さらに別の遺体を発見してしまうのだ。その遺体も、同じような黒髪の女性で、全裸で埋められていた。刑事たちは連続殺人事件だと断定する。

これらの事件は全て、麻美を中心に絡まり合い、さらなる悲劇へと続いていくのだった。

★基本データ&目次

作者 志駕晃
発行元 宝島社
発行年 2017
ISBN 9784800270665

★ 感想

映画化されたと言うことで、まずは原作を読んでみました。
簡単にまとめちゃうと、ネットの裏世界は怖いぞ、SNSにも落とし穴があるんだぞ、というのがテーマ。主人公の彼氏(富田誠)が“おバカさん”の役回りで、その落とし穴にいとも簡単にハマっていく。対称的に、主人公(麻美)は慎重派。その対比が分かり易い反面、なんでこんな奴と付き合っているんだろうかと思っちゃうほど。まあ、麻美の人となりが分かってくると、そういうこともあるのかなと納得はできた。

超美人の主人公、どこまでも軽い彼氏、プレイボーイな先輩、地道に足で稼ぐタイプの刑事たち、不幸な生い立ちゆえに人の痛みを知ることができなくなった犯人。少々、ステレオタイプすぎる登場人物たちだが、色々な“事件”が重なり合っていって、それらが繋がっていくという、ミステリーのお楽しみはタップリ。

ただ、犯人に対しても“おバカさん”対応をしてしまう彼氏は、さすがにそれはないだろうと、ちょっと興醒め。あれがなくても、盛り上がりは保てたと思うのだが。。。

ミステリー作品ゆえに、具体的な中身をはぐらかしての感想なので、ちょっと分かりにくいだろうか。
多少の注文はあるが、軽く読めて、ミステリーさも一杯で、なかなか楽しめた一冊だった。さて、映画ではどんな風に描かれているのかな。

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