「普通」のひとのためのSNSの教科書

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★あらすじ

SNS発信は、組織に所属しているビジネスパーソンの仕事やキャリアアップに役に立つ。SNSは“プルのコミュニケーション”であるため、自分の持っている情報を発信すれば、必要とする人が見つけてくれ、そこからコミュニケーションが生まれるのだ。
ネットがバーチャルなもの、特別な人のものという認識は古い。SNS発信は“リアルの延長線上”で使ってこそビジネスで真価を発揮する。そのためにも「実名」での発信をするべきだ。

著者は、大企業NTTに就職して、営業として張り切ってがんばったが空回りし、退職してしまう。マーケティング担当として転職したIT系コンサルティング会社も一年で辞めてしまい、次の会社に。完全にネガティブスパイラルに入ってしまった。
だが、ここで自分を救ってくれたのがブログ。ブログを始めてから新たなコミュニケーションが生まれ、ブログを通してイベントを開催するなどしていたら、リアルの仕事にもいい影響が出てきた。ブログを読んでくれた人が会社のウェブサイトを見てくれ、仕事に繋がるようになったのだ。

ビジネスパーソンがSNS発信をする際には以下の点を理解する必要がある。

  • 高度な文章力は必要ない。仕事に役立てるのが目的なので、「作品」を創り上げる訳ではない。
  • “メディア”だと思わない。人の知らない話を提供する必要はない。役に立つかどうかも自分で判断する必要はなく、読み手が判断してくれる。
  • 金儲けを考えない。ユーチューバーなどとは目的が異なる。あくまで自分の世界を広げて行くのが目的。

最初は、“自分のためのメモ”として、仕事上で気づいたこと、セミナーなどで聞いたことを発信すればいい。その蓄積が重要。

ただし、社外秘の事項や、参加者以外に内容を口外してはいけないイベントなど、書く内容には注意が必要だ。あくまでもビジネスパーソンとして、リアルの世界でのルールをSNS発信でも守って行動しなければならない。
特に、自分が属している会社の就業規則に反することはいけない。まずは規則を確認し、上司や人事にも相談してからはじめるのが良い。あとからバレて問題となっては、本来の目的(仕事やキャリアアップに役立てる)が失われてしまうので。

★基本データ&目次

作者徳力基彦
発行元朝日新聞出版
発行年2020
副題自分の名前で仕事がひろがる 「普通」の人のためのSNSの教科書
ISBN9784023318816
  • プロローグ ネットとリアルを訳ない発信がビジネスを制す
  • Ch.0 ぼくはSNS発信に人生を救われた 「普通」の会社員が「プチ有名人」になるまで
  • Ch.1 SNS発信で「わらしべ長者」になる 「ハプニング」を生む「プルのコミュニケーション」
  • Ch.2 「アウトプット・ファースト」でいこう 自分のための「メモ」からはじめる
  • Ch.3 アウトプットを、したたかにズラす 「メモ」からコミュニケーションを生む
  • Ch.4 ビジネスパーソンは「逃げるが勝ち」 「火事場のヤジ馬」にならない
  • エピローグ 本を閉じる前にアカウントをつくろう
  • 巻末付録➀ 社内で使えるSNS利用申請書
  • 巻末付録② ビジネスパーソンにおすすめのアカウントリスト

★ 感想

アルファー・ブロガーだの、アンバサダー(マーケティング)だのを広めた著者による一冊。本書の中では自分のことを“プチ有名人”と謙遜しているが、この業界では知らない人はいないでしょう。最近はnote株式会社に移って、noteプロデューサーをされているとのこと。

十年前(2010年)に「ネットがあれば履歴書はいらない-ウェブ時代のセルフブランディング術」なる本を読んだことがあった。こちらは、企業・組織に頼らず、自分自身のブランドをネットを通して築き、キャリアアップせよ、というものだった。
対して本書では、組織の中にいて、組織にも役立つ形でネットを使っていこうというもの。使う道具は同じ(時代が違うので、実際は異なっていますが)だけど、だいぶ意味あいが違う。実際のサラリーマンにとっては“企業・組織に頼らず”生きていくのはシンドイというのが本音。その分、本書の方がより広い人にとって役立ちそうだ。

著者は「リアルの世界とネットの世界に境界はなく、繋がっていると考えるべき。なので、ネット世界でも“実名”を使う」と言っています。仕事に繋げるのが目的なのだから、匿名という訳にはいきませんから。とは言え、実名を名乗ることに抵抗を感じる人が多いのもまた確か。それゆえ、まずは障壁となるだろう“会社・組織の規則”と折り合いを付ける必要性を強調している。丁寧に、巻末には「社内で使えるSNS利用申請書」の雛形(へのリンク)まで載せているほど。なんとも実用的。そして、著者の「みんながSNS発信できるようになるとうれしい」という想いが伝わってくる。

ネットで発信する際の“礼儀作法”や、炎上を避けるための“心得”など、非常に具体的だ。巷に溢れる、「ユーチューバーになって一儲けしよう」、「ネットで大金持ちに」的なホントは全く異なっている。
これからSNS発信してセルフブランディングしようと言う人も、始めたはいいものの、これからどうしようと迷っている人も読むべき一冊でしょう。

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